ゴム

工業用ゴムのカーボンブラック代替とコスト削減を実現した炭酸カルシウム活用事例

用途:工業用ゴム製品、緩衝材

※本事例は、当社製品を用いた課題解決のイメージストーリーです。

工業用ゴムのカーボンブラック代替案

背景:工業用ゴム配合におけるカーボンブラック依存とコスト・比重の課題

工業用ゴム製品(防振材・緩衝材・シール材など)の配合設計では、補強材としてカーボンブラックが広く使用されてきました。しかし、カーボンブラック主体の配合には以下のような課題があります。

  • カーボンブラックの価格変動が原材料コストのリスク要因となる
  • 黒色着色が避けられず、意匠性や用途の幅が制限される
  • 混練・押出工程での加工負荷が高く、フローマークが生じやすい

補強性・硬度・引張強度を維持しながらも、比重とコストを抑えられる代替充填材の開発が、ゴム配合設計の重要テーマとなっています。

課題:補強性・物性を維持しながらの比重低減とコスト最適化

ある工業用ゴム製品メーカー様では、製品の軽量化と原材料コスト削減を同時に実現するため、カーボンブラックの配合見直しを検討していました。
しかし、以下の課題が解決の障壁となっていました。

  • カーボンブラックを単純に削減すると、硬度・引張強度などの物性が低下する
  • 代替充填材では分散性が不十分で、押出・成形時にフローマークが発生する
  • 混練工程での加工性が悪化し、生産効率に影響が出ていた

「物性の維持」「加工性の確保」という二つの要件を同時に満たす充填材設計が、開発担当者様の課題となっていました。

MSK-C

技術アプローチ:粒径設計と分散性向上によるカーボンブラックの部分代替

当社では、ゴム用途向けの炭酸カルシウムとして、以下の観点から材料設計を最適化しました。

  • 適切な粒径設計によりゴムマトリクスへの補強効果を確保
  • 表面処理技術により、ゴムへの濡れ性・分散性を向上
  • 分散安定性の向上により、押出・成形時のフローマーク発生を抑制

MSK-Cの表面処理グレードは、ゴムとの界面接着性に優れ、カーボンブラックの一部を置き換えながら硬度・引張強度を設計範囲内に収める配合設計を可能にします。

導入後の変化:物性を維持しながら軽量化とコスト削減を両立

評価試験により、以下の改善傾向が確認されました。
カーボンブラックの部分代替により、物性を維持しながらコスト最適化を達成しました。

  • 分散性の改善により、押出・成形時のフローマーク発生を約50%減少
  • 混練工程での加工性が向上し、生産効率が改善
  • カーボンブラック使用量の削減により、原材料コストの最適化に寄与

カーボンブラックの代替は物性低下のリスクが大きく、慎重な検討が必要でした。
MSK-Cの分散性の高さと表面処理による界面接着性の向上により、補強効果を維持しながら物性とコストの両方を改善できたことは、設計の自由度を大きく広げてくれました。

課題解決のポイント

本事例の核心は、炭酸カルシウムを「カーボンブラックの単純な代替材」として位置づけるのではなく、「粒径設計」「表面処理による界面接着性」「分散安定性」を複合的に活用した点にあります。
適切なグレード選定と配合設計の最適化により、物性維持・コスト削減・加工性向上の四要件を同時に実現することが可能です。

本設計は、工業用ゴム製品メーカー様にて採用されており、防振材・緩衝材をはじめとする複数の製品ラインで継続的に活用されています。