用途:外壁用水系塗料/水性インク
※本事例は、当社製品を用いた課題解決のイメージストーリーです。

背景:塗料・インク市場におけるTiO₂コスト高騰と多機能化への対応
建築内装用塗料および水性インクの分野では、隠ぺい力と白色度を確保するために二酸化チタン(TiO₂)が主要な白色顔料として使用されてきました。
しかし近年、以下のような市場環境の変化が配合設計の見直しを迫っています。
- TiO₂の価格高騰・調達リスクの増大によるコスト圧力
- 環境規制の強化に伴う原材料の持続可能性への関心の高まり
- 光沢調整など、充填材に求められる機能の多様化
TiO₂使用量を削減しながら隠ぺい力・白色度・塗工適性を維持することは、塗料・インクメーカーにとって重要な技術課題となっています。
課題:TiO₂削減と隠ぺい力維持の両立、レオロジー最適化
ある塗料メーカー様では、水系塗料の原材料コストの最適化を目的にTiO₂使用量の削減を検討していましたが、以下の課題が障壁となっていました。
- TiO₂を減らすと隠ぺい力が低下し、製品の色品位を維持できない
- 光沢調整が難しく、艶感のコントロールに苦労していた
- 既存の炭酸カルシウムでは分散
安定性が低く、光沢の低下が発生していた
コストダウンと品質維持という相反する要求を同時に解決できる充填材の選定が、開発担当者様の急務となっていました。
製品採用例
技術アプローチ:分散安定性向上によるTiO₂代替
当社では、塗料・インク用途に向けて以下の観点から炭酸カルシウムの材料設計を最適化しました。
- 高白色度の確保により、TiO₂削減後も製品の色品位を維持
- 表面処理技術による分散
安定性の向上で、粒径と粒度分布の制御を通じ、高光沢を発現
特に、ルミナスは水系塗料に使用でき、TiO₂粒子と併用することで、スペーサー効果による隠ぺい力の補完と、コスト削減を実現することが可能です。
導入後の変化:コスト削減と塗料品質の安定化を同時に達成
評価試験により、以下の改善傾向が確認されました。
TiO₂使用量を削減しながら、隠ぺい力・塗工安定性を維持することが可能となりました。
- 微粒子グレードによる隠ぺい性の補完により、TiO₂の一部代替が実現
- 分散性の向上により、製造時のエネルギーコストを削減
技術者コメント(技術本部 担当者H)
水系塗料におけるTiO₂の削減は長年の課題でしたが、単純に代替材を増やすだけでは隠ぺい力の低下を避けられませんでした。
ルミナスの高い分散性により、品質を損なわずにコスト最適化の目標を達成することができました。
課題解決のポイント
本事例の核心は、炭酸カルシウムを「単なるTiO₂代替の増量材」として使用するのではなく、「炭酸カルシウムでTiO₂の隠ぺい性を補完する」という機能を活用した点にあります。
充填材の選定と配合設計の最適化により、コストダウンと品質維持を同時に実現することが可能です。
本設計は塗料メーカー様にて採用されており、水性塗料の複数製品ラインで継続的に活用されています。