用途:照明カバー・ディスプレイ用樹脂部材(光拡散・偏光)
※本事例は、当社製品を用いた課題解決のイメージストーリーです。

背景:高輝度光源時代における光拡散材の設計難度の上昇
LED照明の普及と高輝度化に伴い、照明カバーやディスプレイ用樹脂部材には従来以上に高度な光学特性が求められています。
光拡散材は、眩しさやムラを抑えながら必要な透過率を確保するために不可欠な材料ですが、その設計には以下のようなトレードオフが存在します。
- 拡散性を高めると透過率が低下し、照度が損なわれる
- 透過率を優先すると光のムラや点灯時の眩しさが残る
- 拡散材の品質ばらつきにより、製品間で色味やヘイズに差が生じる
特に高輝度LED光源では、拡散材の粒径・屈折率・白色度がわずかに異なるだけで視認性や製品の品位に影響するため、材料選定の精度が製品競争力を左右します。
課題:黄色味・ヘイズばらつきによる品質安定性の低下
ある照明部材メーカー様では、樹脂成形品への光拡散材添加において以下の課題が生じていました。
- 既存の拡散材では成形後に黄色味が発生し、白色光源の色再現性が損なわれる
- ロットによってヘイズ値にばらつきがあり、製品間での光学特性の均一性が確保できない
- 高輝度光源下でのグレア(眩しさ)が抑えきれず、照明品質の改善が求められていた
- 透過率の確保と拡散性の向上を同時に達成できる材料が見つからない状況が続いていた
色味の安定・ヘイズの均一性・光拡散性・透過率という複数の光学特性を満たす材料設計が、開発担当者様の大きな課題となっていました。
技術アプローチ:粒径・屈折率・白色度の複合最適化
当社では、光拡散材としての炭酸カルシウムに対して、光学特性を多角的に制御する以下のアプローチを採用しました。
- 粒径の精密制御による光拡散特性の最適化(CUBE)
- 特徴のある屈折率を利用した光拡散性(ウイスカル)
- 白色度を管理することにより、黄色味の発生を根本から抑制(カルテックス)
- ロット間の品質均一性を高める製造プロセス管理
導入後の変化:色味の安定と光学特性の均一化を両立
評価試験により、以下の改善傾向が確認されました。
光拡散性と透過性を両立しながら、製品間の品質均一性も大きく向上しました。
- 粒径の最適化により、光拡散性と透過性を同時に確保
- 高白色度品により、成形後の黄色味が大幅に改善され色再現性が向上
- ロット間のヘイズばらつきが低減し、製品品質の均一性が安定
- 高輝度光源下でのグレアが抑制され、照明器具としての視認快適性が向上
技術者コメント(技術本部 担当者T)
光拡散材の選定では、拡散性と透過率のトレードオフに加え、色味の安定性という要件も加わり、設計の難度が高い領域でした。
粒径制御・屈折率・白色度のそれぞれの特徴を生かした製品設計とすることで解決できなかった課題を解消できました。
課題解決のポイント
本事例の核心は、炭酸カルシウムの「粒子径」「粒子形状」「屈折率」「白色度」という特徴を目的に合わせて最大限活用したことです。
このことにより、最終製品にユニークな光学特性を与えることができました。
本設計は、照明部材メーカー様にて採用されており、LED照明カバーをはじめとする光学用途樹脂部材での採用検討が進んでいます。