用途:建築用シーラント(シーリング材)
※本事例は、当社製品を用いた課題解決のイメージストーリーです。

背景:建築用シーラントの高耐候化検討
建築用シーラント市場では、住宅の高寿命化に伴い、高耐候のグレードが求められています。
しかし、高耐候設計では次のような問題が発生します。
- 樹脂粘度が高く、押出荷重が増大
- カートリッジからの押出性悪化
- フィラーの分散不良による物性ばらつき
特に「施工性維持 ×高耐候」はトレードオフ関係にあり、配合設計の難易度が高まっています。
課題:冬場の粘度上昇と糸引きの発生
ある建築用シーラントメーカー様では、シーラントの高耐候化を検討していました。
目的は、住宅の高寿命化への対応と製品競争力の向上です。
しかし、実際に配合を組むと、次のような問題が顕在化しました。
- 低温でのシーラント粘度が上昇して作業性(Ti値)が著しく低下し、糸引きが発生
- 垂れが生じやすくなり、意匠性が低下
- 最終物性にばらつきが生じる
「耐候性の付与」と「施工性維持」はトレードオフ関係にあり、開発担当者様は設計の再検討を迫られていました。
技術アプローチ:粒子設計と表面制御の最適化
当社では、単に充填量を調整するのではなく、次のような観点から材料設計を再構築しました。
- 粒径分布の最適化
- 表面処理技術の見直し
- レオロジー特性の制御
特に、粒度分布設計と表面改質技術の組み合わせにより、充填率を高めながら作業性を確保するアプローチを採用しました。
導入後の変化:低温条件下でも施工性を維持
評価試験により、以下の改善傾向が確認されました。
高耐候でありながら、施工性を維持する設計が可能となりました。
- 低温時のヘラ切れ性が改善し、糸引きが減少
- 粘度安定性が向上
- 施工時間 約20〜30%短縮
- 垂れ発生が抑制され、仕上がりの意匠性が向上
技術者コメント(技術本部 担当者N)
従来の配合設計では、粘度制御が難しく、物性との両立が課題でした。
粒径制御と表面処理の最適化により、粘度挙動が安定し、設計自由度が大きく広がりました。
課題解決のポイント
ポイントは「単なる充填材」ではなく、「粒子設計」「表面化学制御」「分散技術」を組み合わせた材料設計にあります。
高充填でも流動性を確保できるため、施工性・コスト・物性のバランス設計が可能になりました。
本設計は、国内の建築用シーラントメーカー様にて採用され、現在も量産製品に展開されています。
複数製品シリーズで継続採用されており、安定供給体制のもとで長期的な活用が進められています。