森崎 義政
技術本部 中央研究所 第2研究室
2000年入社
工学部 精密応用化学科 卒
大学では精密分子工学を専攻。「乾式流動層を用いた各種資材の分離」をテーマとした研究のなかで実験に炭酸カルシウムを使うことが多く、その物性に興味を持ったことから丸尾カルシウムを志望した。探究心に燃える研究者であり、4歳の息子に甘いお父さんでもある。
炭酸カルシウムはおもしろい素材です。石を砕いて粒を揃える物理的製法も、分解・精製・合成という流れをたどる化学的製法もあり、地球上に大量にある安価な素材として多様な用途に使われていて、「こんなところにまで?」と驚かされます。独自の技術で特殊な用途を拓き、どんどん新しい価値を付加していくこともできます。このような点に魅力を感じて丸尾カルシウムに入社し、すでに15年余りが経ちました。
入社以来ほぼ一貫して食品添加物としての炭酸カルシウムの開発に従事していますが、炭酸カルシウムへの興味は深まるばかりです。見た目は同じ白い粉ですが、飲料に添加したときに凝集・沈殿しにくい、ライン上で扱いやすいなど、お客さまにとっての新たな価値を作り込むことに、大きな喜びを感じています。
中でも入社後10年の節目を過ぎたころに取り組んだ、某メーカー様向けのカルシウム強化飲料用炭酸カルシウム開発プロジェクトは印象的でした。
サラサラした砂が濡れると固まるように、液体のなかに分散させた炭酸カルシウムも時間とともに凝集・沈殿します。これを起こりにくくする技術を分散技術といい、丸尾カルシウムはこの技術を強みとしています。お客様の期待も大きく、プロジェクトには常に挑戦的な目標が掲げられます。この時も、お客様から高いハードルの課題提示があり、これを決められた期限内で達成するためにチーム一丸となった取り組みが必要でした。私は、実務の主担当としてチームをとりまとめ、アイデア出し、合成、評価を行って、最終的にお客様から高い評価をいただくことができました。自分も深く関与したお客様の新製品が市場に出たときの喜びは忘れられません。ますます仕事がおもしろくなりました。
丸尾カルシウムの製品は、工業用を中心に広く海外にも展開されています。担当する食品添加物の分野でも世界中で使っていただける製品をつくり出すというのが私の夢です。たとえば、炭酸カルシウムは、比重が2.7あるため、そのままでは賞味期限の長い清涼飲料水などには使えません。更なる高分散性を有する炭酸カルシウムを開発する事が出来れば、グローバルなヒット商品が生まれるかもしれません。そんなふうに夢を持っていれば、日々の研究開発にも長期的ビジョンが開けます。
自分なりの夢を持ったプラス思考の若い仲間が増え、共に世界に挑戦していけるとうれしいですね。
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